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いじ

Now drowing...

 

自分のちょっとしたプライドの所為で張らざるを得なくなるもので、好きなのに好きと言えなかったり、出来ない仕事を引き受けてしまったりするものです。どんな人にもプライドという自分自身解せない魔岩の巣窟的な部分があって、張ってはみたものの結局自分が後悔するのです。

 

僕は人一倍プライドが強くて出来るだけ自分を悟られたくないので、妙に意地っ張りな面があるんですが、その実、プライドなんてものは邪魔なだけだったりします。

僕自身が一番楽になる方法は分かっているのに、楽になれない。

 

 

腸が強い僕は基本的にお腹を壊すことは滅多なことでは無くて、牛乳も賞味期限から1週間経っても平気ですし、うな重と梅干しの食い合わせも平気ですし、アイスをたらふく食しても通常に過ごすことが出来ます。なので、その痛みに慣れていないんですけど、そんな僕が人前で腹痛に襲われるとどうなるか。

 

普段から腸の強靱さを周囲に自慢げに訴えている意地から公言出来ず、トイレに隠るのも何故か恥ずかしく感じられ、その毒素を延々と体内に収めつつ脂汗。もう意味が分かりません。トイレに、行け、といかそういう話でして。

友人の話す内容も上の空、相づちも程々に僕は電話の振りをして席を立ち、店を出てコンビニのトイレへ。我ながら阿呆らしいのは重々承知の上なんですけど、「田中、腹痛」とばれる3倍くらいマシなんです。

 

 

で、一回失敗したことがあるんです。

 

もうすべてにおいて上の空で、手持ち無沙汰にテーブルのナプキンを握りしめたりしていたけれどもう限界。おいしく食べれない。死んじゃう。漏れちゃう。そんな僕はコンビニを目指して立ち上がったわけなんです。

勿論、心無しかジャケットのポケットを気にしたりなんかして、携帯電話がバイブしているよ−という心憎い演出も込めつつ。僕にぬかりあるはずがありません。その辺は完璧です。

なかなかコンビニが見付からなかったりする幾多の危機を乗り越えつつ、テーブルに戻って来た僕の視界に飛び込んだのは。

「お母さんがさー…っ!!」

 

無造作にテーブルに置かれた僕の携帯電話。筆舌に尽くし難い冷や汗が出ました。

 

ばれた!

 

いや、別に、あのーばれたところでね、そのなんだ、腹痛によって消化器官出口付近で毒素と僕自身が生死をかけた攻防を繰り広げていた、とかそんな下らない話なんですけど。まあ色んな意味で下っては居るんですけど。

 

 

うんこは僕のプライドのボーダーに引っ掛かるらしいです。

 

 

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